A.前向きの人生

あなたの知らないあなたの孤独 !? UCLA孤独度スケール

老後の4大不安は、健康、お金、生き甲斐、孤独だと言われてます。
4大不安の1つである。孤独は何がリスクなのでしょうか?

別に孤独でも構わないという人は少なくありせん……
しかし、構わないと言う人に限って孤独のリスクを抱えています。

気づかれない老後の孤独

老後に訪れる孤独のリスクは、若いうちには気づかない人がいます。
ある程度孤独に慣れた人です。
問題は時間の経過とともに変化する 人的ネットワークです。
時々孤独である状態と、常時孤独であるのは大違いです……

若い頃は、自分がネットワークの中心にいることが多いのですが、歳を経るにつれて、 ネットワークが弱くなったり、切れてしまって、だんだんと自分がネットワークの外側に押し出されていくのです。 気づいてみると、そして誰もいなくなったみたいに……

サラリーマンとして会社に通っていれば、職場にはたくさんの同僚がいますし、一緒の飲み会も、ゴルフのコンペもあることでしょう。専業主婦であれば、子育てで忙しい時期は常に子供が家にいるわけです。そのような環境にある時には、老後の孤独を想像することが難しいのです。

しかし、サラリーマンが定年退職した後は、一緒に飲みに行ったり、ゴルフをする仲間がいなくなりますし、専業主婦も子供が家から出てしまい、夫が外に出かけてしまうと家にポツンとひとりでいることになりかねません。

さらに、時間が経過すると、いつも一緒に飲んでいた仲間が健康上の理由で酒が飲めなくなってしまったとか、 膝や腰の痛みからゴルフから引退してしまい、一緒にコースを回る仲間がいなくなってしまうのです。さらには、職場の同僚や家族が病気や怪我で亡くなることもあり、今まであったネットワークは放っておくとプツプツとちょん切れていってしまいます。

このように、 初めから孤独である言うことばかりではなくて、今は孤独でなくても時の経過とともに人的なネットワークが切れて行った結果が孤独なのです。

放っておくと、現在の人的ネットワークは切れてしまいます。
その結果孤独になることを想定内にして生きるのと、定年退職や子育ての終了とともに突然孤独に陥るのと、あなたはどちらの人生を選びますか?

孤独になりたくなければ、 ほころびた人的ネットワークを補強し、あるいは新たなネットワークをあなたにつないでいく必要があるのです。 このことに気づくのは早い方が良いに決まっています。

自分の孤独度を測ってみる

まずは現状確認です。
自分が孤独なのか、孤独ではないのか、確認してみたくありませんか?
そして、将来の自分を想像してみるのです。

そこで、UCLA 孤独感尺度をご紹介しましょう。ご紹介するのは、横浜市立大学医学部 田高悦子教授のグループが、UCLA Loneliness Scale第3版をもとに作成した日本語版UCLA 孤独感尺度(第3版)です。

質問は20問。問いに対する頻度を4段階でチェックするだけです。
最低点は20点、最高点は80点です。

下の青い「チェックを始める!」ボタンを押して、Let’s Try!!
得点と解説もご覧くださいね〜
解説を読むには画面をスクロールする必要があります。

 

孤独がリスクとなる理由 ー 社会的な動物である人間 ー

人間が「社会的な動物」として進化してきた背景には、共同体の中で協力することで生存や繁栄の可能性を高めてきた歴史があります。この進化の過程を考えると、孤独であることはデメリットが大きいのです。

1. 生存と繁殖のための協力が必要だった

<1>農業と狩猟の規模の問題
人類が定住生活を始め、農業を行うようになると、一人では成し得ない規模の作業が必要になりました。例えば、大規模な灌漑システムの建設や、収穫物を守るための共同作業です。狩猟時代においても、協力して動物を追い込む戦術や、危険から身を守るための集団生活が不可欠でした。

<2>子育ての負担軽減
子育てにも協力が必要でした。集団生活では、他の大人や年長の子どもたちが子育てを分担し、親が 農作業や狩猟・採集に集中できるようサポートしました。孤立した環境では、このような協力を得ることが難しくなります。

2. 社会的つながりが安全を確保した
<1>捕食者からの防御
人間は身体的には弱い生物であり、捕食者から身を守るために集団生活が必要でした。孤独でいることは危険性が高く、生存率を著しく下げる要因となりました。

<2>情報共有による適応力の向上
危険な環境で生き抜くには情報の共有が重要です。群れやコミュニティ内で危険を知らせ合ったり、食料のある場所を教え合うことで、個人の知識を超えた生存戦略が可能になります。

3. 孤独がストレスと健康に及ぼす影響
<1>進化的な孤独感の役割
人間は孤独をネガティブに感じるよう進化してきたと言われています。孤独感は「社会から離れた状態」を知らせる警告信号として機能し、群れに戻るよう行動を促してきました。この感覚がなければ、生存率が下がる危険性が高かったのです。

<2>現代における孤独の影響
進化的には孤独が短期間で解消されることを前提としていましたが、現代では長期化する孤独が深刻な問題となっています。慢性的な孤独感は、ストレスホルモンであるコルチゾールの増加を引き起こし、免疫機能の低下、心血管疾患のリスク増加、精神疾患の発症など、身体的・精神的健康に大きな悪影響を及ぼします。

4. 社会的つながりが幸福感を高める
<1>進化心理学的視点
他者と協力し、支え合う関係は、進化的に人間が報酬系を活性化させる仕組みを持つ理由となりました。他者とのつながりから得られる幸福感や充足感は、社会的な協力を奨励するメカニズムとして機能しています。

<2>現代社会での孤立のデメリット
孤独は現代の高齢者に特に深刻な問題をもたらしています。社会的なつながりがないと、助けを得られず、精神的にも身体的にも早期の健康悪化や寿命の短縮につながるという研究結果があります。

孤独であることのデメリットは、人類が進化の過程で社会的な存在として成功してきたことに根ざしています。協力やつながりを失うことは、進化的な観点から見ても安全性、適応力、健康、そして幸福感を損なう結果につながります。そのため、孤独感を解消し、社会的なつながりを持つことが人間の生活を豊かにする鍵となっています。

孤独を回避する具体的なアクション

こちらはスケールを実際にやってみてください。
その後に孤独の回避策をいくつか提案します。