ギリシャ神話の「パンドラの壺(箱)」についてご存知でしょうか?
触れてはいけないタブー(禁忌)の代名詞のように捉えられているパンドラの壺ですが、私たちの誰もがパンドラの壺を持っているのです。
あなたはすでにそのパンドラの壺を開けてみましたか?
パンドラの壺とあなたの人生との関係を知りたい人は続きをお読み下さい。
ギリシャ神話におけるパンドラの壺(箱)
ギリシャ神話の「パンドラ」によると、パンドラが壺を開ける前の世界は一年中春で、地上は常に花で覆われ、人間たちは歳を取らないうえ、心がみな正しく、病気など苦しみと言われるものは何ひとつない素晴らしい?世界だったそうです。
プロメテウスが火を与えてから繁栄していた人間の世界を面白く思っていなかったゼウスは、パンドラ(全ての贈りものという意味)という美しい少女(世界で初めての女性)をプロメテウスの弟のエピメテウスの元に送り込みます。そして、ゼウスはひとつの壺をけっして開けてはならないとパンドラに言い渡した上で、エピメテウスに届けさせたのです。
しかし、一日中エピメテウスの家に居て退屈していたパンドラは、ある日その壺を開けてしまいます。
すると、小さな翼を持った生きものが群れになって飛び出してきて、パンドラの体をチクチクと刺したのです。その生きものは「苦しみ」でした。
その後、人間の世界に季節の変化が現れ、病気や争いが起こるようになり、人間にも寿命があるようになりました。
しかし、壺の中にはもうひとつ小さな生きものが残っていました。
それは「希望」の女神でした。
その「希望」の女神は「苦しみ」が蒔いた不幸を消していったというのです。
現代におけるパンドラの壺
ギリシャ神話のパンドラに対する解釈は様々ですが、現代に置き換えたらどのような解釈が可能でしょうか?そのひとつをご紹介します。
<人生100年時代における解釈>
現代におけるパンドラの壺は老後に訪れる災厄を閉じ込めたものです。
🔹 加齢にともなう身体と精神の衰え
🔹 その結果としての病気、介護
🔹 そして死
☞ これらに伴う精神的・肉体的な苦痛と後悔
このように考えると、現代のパンドラの壺はタブーとして開けない方がよいのでしょうか?
老後のこと、死のことは考えたくないのは当然のことですが、考えさえしなければ老後と死から逃げられるというわけでもありません。
残念なことに、現代のパンドラの壺は人間が開けなくてもその中にある老後の災厄は出て来てしまうのです。蓋はあってもなくても同じだというわけです。
であるにも係わらず、パンドラの壺をしっかり抱えて蓋を開けないようにしている人が少なくありません。
しかし、現代のパンドラの壺にも最後に現れるのは「希望」です。
その「希望」は自分の人生を「コントロールする力」です。「コントロールする力」は老後の災厄によって苦しまなくて済むように予め老後の災厄を消していくことができるのです。
であるならば、早めに見たくないものを見て、その災厄をコントロールしておいた方がよいと思いませんか?むしろ、早く見たくなるようなものが壺の中にあるのではないでしょうか?
現代のパンドラの壺を開けてみようと思った人は、壺の中身を次のチェックリストでチェックしてみたらいかがでしょうか?
【チェックリスト】老後に通る3つの関所と通過に必要な通行手形
壺の中身の一部を見ることができます。
ボタンが見えない場合がありますので、下にスクロールしながらすすめてください。
最後にお名前とメールアドレスを登録すると、PDF版のチェックリストをメールでお送りするとともに、壺の中身をコントロールする方法(解説)を読むことができます。
自己決定と現在のパンドラの壺
あなたは、チェックリストを通じて現代のパンドラの壺を開けましたね!
しかし、それらが全てではないのです。
パンドラの壺をあえて開けてみようとしたあなたは、自己決定を重視するタイプの人なのです。自分のことは自分で決めたいと考えるのは人間だけです。他の動物は自分で決めているのではなく、遺伝子と経験から環境に反応しているだけですから……動物にパンドラの壺はありません。パンドラの壺は人間固有のものなのです。
問題は自己決定を重んじる人であったとしても、やがて自己決定することができなくなる時がやってきます。
その原因は心身の能力の衰えと死です。
あなたは認知証になった後の自分がどうなってもかまわないと思いますか?
あなたは死んだ後の自分がどうなってもかまわないと思いますか?
その判断は人それぞれですが、認知症になった後のことも、死んだあとのことも、人を通じてになりますが、予め自分でコントロールすることができます。
現代のパンドラの壺には自分で自分を直接コントロールすることができなくなった後の災厄まで入っています。
パンドラの壺を開けずに抱え続ける人が招く後悔
心身が衰えてからパンドラの壺を開けても手遅れです。
なぜならば、すでに自分をコントロールする力を失っているからです。
従って、いづれパンドラの壺を開けるのであれば、自分をコントロールする力が残っている間に開けてしまった方が賢明です。
パンドラの壺を早めに開けて100年の人生を後悔しないものにしたらいかがでしょうか。
パンドラの壺の全ての中身は、Happy Ending カードをプレイしてみてください。
後悔しない人生の糸口になります。
パンドラ(ギリシャ神話)とイブ(創世記)の関連
この2つの話はよく似ていると思いませんか?
世界が苦楽に溢れている原因がそれを観て解釈する人間自身にあることは間違いはありません。どうやら人間の物語はどこで創られても似たようなものになるようです。
🔹 ゼウスから送られたパンドラ vs. 神ヤハウェが創ったイブ
🔹 パンドラがゼウスから持たされた壺 vs. エデンの園の中央に植わる木の知恵の実
アダムとイブの「原罪」については改めて書くつもりです。
お楽しみに!