ウサギのように「新年の抱負」を立てていませんか?
イソップ寓話のウサギとカメの寓話はよくご存知でしょう。
足の遅いカメが足の速いウサギよりも早くゴールに達した話です。
この寓話を長い人生における毎年の「新年の抱負」のメタファーとして解釈してみたらどうなるでしょうか?
新年にその年の抱負を立てるのは果たして正しいか?
新年になると、私たちは毎年のように抱負を立てます。
今年こそは、これをやろう、あれを変えよう。
その姿は、どこかウサギに似ています。
思い立ったらすぐに走り出し、行動力もある。
スピード感をもって、一年をスタートさせます。
けれど年末、ふと立ち止まって振り返ると、
「結局、自分はどこまで来たのだろう?何を達成したいと思っていたのだろう?」
そんな疑問が浮かぶことはないでしょうか。
一方で、同じ一年を過ごしていたはずなのに、確実に人生のゴールへ近づいている人もいます。
その人は、カメのように歩いていました。
速くはありません。
けれど、迷わず、着実に、一歩一歩、前に進んでいたのです。
ウサギはなぜ、あれほど速く走ったのにゴールに達しなかったのか?
ウサギは、速い。
行動力があり、エネルギーに満ちています。
新しいことに挑戦し、あちこちへ走り回り、経験を重ねていきます。しかし、ウサギには決定的に欠けているものがありました。
それは何か?……地図です。
その地図とは、自分が今どこにいるのか、そして向かうべき目標地点を確認する地図です。
ウサギは「走ること」には意欲的です。
けれど、
「どこに向かっているのか」
「今、自分は人生のどの地点にいるのか」
を立ち止まって確認することがありませんでした。
だから、走るたびに方向が変わり、勢いよく進んでいるようで、実は山の中腹を行ったり来たり彷徨しているだけ……
これは、私たちが毎年立てる新年の抱負とよく似ています。
✅ 今年は頑張ろう
✅ 今年は変わろう
✅ 今年は挑戦しよう
しかし、そもそも、人生のゴールがどこにあって、そこに到達するために、どのマイルストーンを通過しようとしているのかがあっての新年の抱負なのでしょうか?
マイルストーン(参照点)を指向しない行動は、どれだけ速くても、ゴールにたどりつかないのです。
「ゴール」と「マイルストーン」
一方、カメは全く速くありません。
走ることもできません。

けれど、カメは歩き出す前に、決めたゴールに達するために必要なことをしていました。
それは、登る山を決め、その山頂に至るマイルストーンを確認することです。
カメが目指していた頂上は、ひとつです。
それは、人生の終わりに立ち止まって振り返ったとき、「後悔のない人生だった」と言えることです。
しかし、カメが手にしていた地図には、頂上だけが描かれていたわけではありませんでした。
勝敗を分けたのは、ゴールだけではなく、経由するマイルストーン
ウサギは、努力していました。
行動量も多く、決して怠けてはいません。
カメは、のんびりしているように見えました。
しかし、結果は明らかでした。
勝敗を分けたのは、速さでも、才能でも、努力量でもありません。
自分が今、後悔しない人生のゴールに向かい、どの地点にいるのかを確認し続けていたかどうかです。
ゴールは一つでも、そこへダイレクトに至るルートはありません。
ゴールに達するためにたどらなければならないマイルストーンはいくつもある。それを理解していたからこそ、カメは迷わず、マイルストーンを追ったのです。
なぜ私たちは放っておくとウサギになるのか
私たちは、意識しないといつの間にかウサギになります。
目の前のことに反応し、今の安心や効率を優先し、先のことを考えずにとりあえず動く。
それで忙しいと安心する。脳においては今はシステム1(直感的思考)が差配しています、
ウサギは常に今の忙しさに縛られています。
なぜならば、遠くに見える人生のゴールやそこに至るマイルストーンを立ち止まって考えることは、脳にとって負荷が高いからです。システム1(直感的思考)は今を支配していますが、将来を考えるのはシステム2(論理的思考)だからです。
だからこそ、ゴールとマイルストーンは無意識に持てるものではありません。意図的に確認し直す仕組みが必要なのです。
正月は走り出す日ではなくゴールとマイルストーンを確認する日
ウサギは、お正月になると走り出します。
その時に突然思いついた新しい抱負を書き、勢いよくスタートします。
その抱負に対する自身の共感は乏しく、毎年、それを達成することなく終わり、翌年の抱負は前年との関連性が薄く、いつの間にか忘れられてしまいます。
そのループが何回も繰り返されます。
一方、カメは違います。
お正月に地図を広げ、ゴールとした後悔しない人生にするために、マイルストーンを見直します。
✅ 今、自分はどこにいるのか
✅ 次に確認すべき参照点は何か
✅ 今年は、どの地点まで進く年なのか
毎年お正月にやるべきことは、新しい抱負を量産することではありません。後悔しない人生のゴールをしっかりと意識しながら今年たどるマイルストーンを確認し直すことです
2分20秒でわかる「新年の抱負の建て方」
来年もしくは今年、あなたの人生においてどちらの生き方を選びますか
今年も、ウサギのように走るか?
それとも、カメのように地図を策した後に着実に歩くか?
ウサギが負けたのは足が遅かったからではありません。
地図持たずに走り続けてしまったからです。
一方、カメは早くありませんでした。
けれど、立ち止まり、地図を広げ、自分がどこにいるのかを確かめていました。
人生100年時代生きる私たちにとって、本当に必要なのは速さではありません。
時々立ち止まり、人生のマイルストーンを確認することです。
新年は走り出す日ではなく、地図を広げる日。
今年、あなたはウサギのように走りますか?
それとも亀のように、地図を手にして後悔しない人生のゴールに向かって歩みますか?
【人生のマイルストーンの見つけ方】
Happy Ending カードは「新年の抱負」を立てるためのゲームではありません。
後悔しない人生というゴールに向かって、今自分がどの視点にいるのかを確かめるための地図です。




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