行動心理学

人間ドックから人生ドックへ カードゲームで人生診断

人間ドックのドックは英語のdockですが、これは船を建造、修理する際に入る船渠のことですね。人間ドッグ(dog)ではないですよ。それでは犬になってしまいますから……(^_^)


普段水の上に浮いている船は、水(海水)が入っているドックにそのまま入ることができます。しかし、そのままでは作業ができませんから、船がドックに入った後に排水を行い、その後ドライになったドック内において船底まで点検・修理ができるような仕組みになっています。これを乾ドックと言います。

人間ドックは、船の代わりに人間が船のドックではなく、健診所に行き、服を脱いでドックならぬベッドに横たわり、普段は受けない健康状態について様々な点検を受けることができるドックです。その目的と機能を的確に連想させる点で、人間ドックはすばらしいネーミングです。

人間は船のドックに入る必要はありませんが、必要なドックは人間ドックだけでよいのでしょうか?
が今回のテーマです。

健康を心配する日本人?

20歳以上の日本人で健康診断、人間ドックを受けている人は少なくありません。
受診者の割合は 69.6%にも上ります。

<健康保険・人間ドックの受診者数><がん検診受診者数>
各種のがん検診も40%以上の受診率となっています。

(出典:2019年 国民生活基礎調査の概況

受診率が高く感じられるのは、本人が自分の健康を心配していることもあるでしょうが、国・地方自治体が政策として仕組みを整備し、各種の補助を行って、政策として強力に後押ししているためです。

健康診断・人間ドックの有所見率

早期発見、早期治療によって予後をよくすることが目的の健康診断・人間ドックですが、その有所見率(リスクの発見)は下記の通りです。データは様々な所見の合計(%)です。
医療技術の向上に伴って有所見率が年々向上しており、直近のデータでは受診者の55.5%になんらかの所見が付されています。裏を返すと、何も指摘されてい受診者は半分に満たないのです。

健康診断の効果は証明されているわけではありませんが、疾病予防のための生活習慣の改善が指導され、健康に気を使う人が増える副次的な効果はあると言ってよいでしょう。

医療業界におけるマーケティング手法としての健康診断

医療事業者からすれば、健康診断・人間ドックは、マーケティングプロセスの一部です。

健康診断・人間ドックのサービスは医療事業者の売上となりますが、検査の結果によって、先ほどのデータの通り、要経過観察、あるいは要再検査とした半分以上の受診者を新たに単価の高い治療の見込客として登録することができたのです。さらにその双方に該当しなかった健常者も定期的に診断を受ければ、いつかは要経過観察、あるいは要再検査になる可能性が高いと言えます。

このように見ると、健康診断・人間ドックは医療事業者にとってのフロントエンド商品であり、フロントエンド商品を販売した結果、その見込客と解決すべきリスクを共有することができる非常によくできたマーケティングシステムなのです。

しかも、健康診断・人間ドックの受診料は企業や健康保険組合、自治体からの補助があるため、受診しやすく、その後の治療についても健康保険でほとんどが賄えるため、治療を受ける人が多いことに期待が持てるのです。

あなたも、診断レポートに「要経過観察」「要再検診」と記載されていいれば、当該医療機関から、ランクの高い見込客に認定されていることになります。

健康のリスクマネジメントシステムとしての健康診断・人間ドック

健康診断・人間ドックを起点とするマーケティングシステムは、重症化するリスクを早期に察知してそれに備えるリスクマネジメントを提供していると見ることができます。

仮に、検便から便潜血反応が出た場合の要再検診の内容は、おそらく大腸内視鏡検査の実施です。そして、その原因が腫瘍であれば、良性か悪性の判断をした後に切除するか否かを判断することになります。

その結果、大腸がんの罹患を回避できるかもしれません。あるいは、すでに手遅れであったかもしれません。しかし、早期発見・早期治療をすれば、リスクを回避できる可能性をこの検査は提供しているのです。
健康診断・人間ドックはリスクマネジメントとしてとても優れた仕組みです。

人間ドックに対する人生ドック

受診者にとっての人生ドック

人間ドックで便潜血が発見された結果は、腫瘍が良性でありなんらの治療も要しないか、残念ながら悪性であったため、今後治療を必要とする状態にあるかのどちらかです。

人間ドックの受診によって、受診者は前者になるのか、後者になるのかという不安に陥ります。すぐに前者であるとわかればよいでしょうが、後者であった場合に心配なのは治療と予後のことだけでしょうか。

健康に関する予後の不安とともに様々な不安が一挙に吹き出てくると思います。
お金のこと、仕事のこと、家族のこと、両親のこと、死後のこと……

それらは健康診断・人間ドックの診断の対象ではありません。
健康診断・人間ドックでは受診者の体の状態を把握することによって、今後発生するであろう健康上のリスクを洗い出して診断するのがそのスコープなのでそれはやむをえません。

健康以外の人生についても現状を把握して将来に起こりうることを診断して、予め備えることができる仕組みがあったら試してみたいと思いませんか。
私は、人間ドックに対してそれを「人生ドック」と呼びたいと思います。

人生100年時代、超高齢社会に生きる人間に、ピンピンしている健全な状態の間に、おおくくりであっても自分の人生全体の現状のリスク診断をして、予め備えるリスクマネジメントシステムを提供するのが人生ドックです。

マーケターにとっての人生ドック

医療事業者にとってのマーケティングシステムである健康診断・人間ドックと同様に、人生ドックはシニアビジネスを展開するマーケターに見込客の情報とニーズを発見し、共有するマーケティング活動となります。
問題は、医療事業者が健康診断・人間ドックとしてやっているようなマーケティングをどのようなスキームで実施することができるかということになります。

健康を害するリスクをチェックする人間ドックに対して、人生の幸せを害するリスクをチェックするのが人生ドックです。

人間ドックのサービスを提供したいと思いませんか。

人生ドックをHappy Ending カードで受診する

人間ドックでできない診断を行う人生ドックをHappy Ending カードが提供します。

おおくくりではありますが(人間ドックも100%ではありません)、49枚のカードが自己チェックを促し、プレイヤー自身が自分の人生のリスクを診断して、自分に必要なサービスを選択して、最後にそれらをチェックシート(診断書)にとりまとめます。

そのニーズの情報を健康診断・人間ドックと同様にプレイヤーと共有して、解決(治療)のサポートをすることができるようになります。

人生ドックのサポートは医療がチームで行うように、様々な専門家とチームトラストを作って提供します。

一度、人生ドックとしてご自分でHappy Ending カードのプレイを試してみてください。気づかなかったリスクに気づくかもしれません。

☞ 人生ドック with Happy Ending カード

要約すると

・健康診断・人間ドックは健康面でのリスクマネジメントサービスであり、疾病が顕在化する前に早期発見・早期治療を実施することで予後をよくすることができる。

・医療事業者にとって、健康診断・人間ドックは、潜在化している受診者のリスクを発見し、共有化することを目的としたマーケティング活動であり、その後のより単価の高い治療の獲得の手段である。

・健康診断・人間ドックで発見・解決できるのは健康の問題だけであり、要治療となった受診者に同時に発生するリスクを予め診断・発見する仕組み、「人生ドック」を受診することが望ましい。

・人生ドックを通じて、医療以外のニーズを発見・共有するマーケティング活動を展開することができる。

・人生ドックの受診は、人間ドックで要再検診になる前の健常な間に行っておくのが望ましい。