現代における合理的な意思決定プロセスの第2ステップは現状確認です。
(第1ステップについては、「フレーミング ー 将来をのぞく窓」をご覧ください。)
目的地に行き着くためには、現在地からたどる経路を選択する必要があります。
現状確認(現在地)はその経路見つけるために必要不可欠な作業です。
人生は長い旅に例えることができます。
セカンドライフプランを創る上で現状を確認する方法に関心のある方はお読みください。
現在地を見失うと、どこにもたどり着けない
Google マップを使っていませんか?
行ったことがない目的地を目指そうとするのであれば、地図を用いてその目的地への経路を捜す必要があります。経路は2点の位置を結ぶものです。その1点は目的地(destination)であり、もう1点は現在地(current location)です。
目的地と現在地の2点の位置がわからなければ、目的地に向かう経路(route)を決めることはできません。
ここで重要なのは、目的地と現在地の緯度と経度といった地理上のデータを知ることではなく、必要なのは相対的な位置関係でとらえることです。
(ケース)
神田郵便局に用事があるのですが、道に迷いました。Google マップを使わずに、コンビニで目的地である神田郵便局の場所を尋ねました。
(ケースその1)
あなた「神田郵便局はどちらでしょうか?」
店員「神田淡路町2丁目12番です」
あなた「…………」
この説明は、行き先の住所の説明だけなので、現在地と神田郵便局の間に経路が引けないため、行き方がわかりません。
(ケースその2)
あなた「神田郵便局はどちらでしょうか?」
店員「この店を出て左に行ってください。次の信号を左に曲がって、2ブロック先の左側が神田郵便局です」
あなた「ありがとうございました。」
このように現在地からの相対的な位置がわかると、頭の中に経路を引くことができますよね。
現在地の把握は目的地への経路の把握に不可欠であり、経路がわからなければ目的地に行き着くことはできません。
Google マップで調べると、現在地から目的地までの経路を色のついた線で相対的に表示してくれます。私たちはその線をたどって目的地に進むことができるのです。あなたが普段何気なく使っている通りです。
目的地と経由地の違い
しかし、Google マップで調べた目的地に行くこと自体は目的ではありません。
次のように神田郵便局を捜した背景を理解すると、神田郵便局は当日行った経由地のひとつに過ぎず、目的は家族を大切にすることにあったことがわかります。
①神田郵便局に行く
↑
②貯金を下ろす
↑
③オモチャ屋へ行く
↑
④子どもへの誕生プレゼントを買う
↑
⑤自宅へ帰る
↑
⑥子どもの誕生パーティでプレゼントを渡す
↑
⑦子どもと奥さんに喜ばれる
↑
⑧家族を大切にしたい
神田郵便局は経由地であり、本来の目的を達成するためにはいくつもの経由地を経る必要があるわけですね。目前の目的地は実は目的を達成するための経由地のひとつに過ぎず、経由地としての目的地はこのように次々と現れるのです。
地図上の目的地への経路は Google マップに任せるとして、人生の目的地への経由地と経路はどのように見つければよいのでしょうか?
自分は人生のどこにいるのか?(現状確認)
人生は長い旅に例えることができるでしょう。
人間は チンパンジー以下の動物と違い、何事にも意味・意義を求め、退屈を嫌う存在です。そのような性分を持った人間は常に新たな目的地を探しています。その目的のレベルが高ければ高いほど、難しければ難しいほど目的地に行き着いた際の満足度は高いのですが、その代わり多くの経由地を経なければなりません。
人生の目的地にたどり着くための経由地と現在地のこの2点を繋いでその経路を探し続けることが人生の旅だと言えるかもしれません。
✅ 自分は今どこに向かって進んでいるのだろうか?
✅ 自分は今どこにいるのだろうか?
その2つがわからなければ、人生の旅の最中に道に迷っていることになります。
目的への経路がわからず、道に迷っている状態は気分の良い状態ではありません。人生の場合は現在地を現状と言い換えましょう。現状を確認するのが現状確認です。
人生の経路をgoogle マップが示してくれることはありませんから、自分で経路を決めなければなりません。人生の目的への経由地と現状を容易に把握する方法を知りたいと思いませんか?
人生の現状を確認する方法
Google マップはまず目的地を検索してから現在地からの経路を探しました。経路の把握に必要なのは目的地と現在地の相対的な位置を把握することでした。人生の目的地に対する現状の把握も相対的にしか把握することができません。人生の現状は目的地に対する相対的な状態としてはじめて理解することができるのです。
100点満点の試験を受けたとしたら、100点に対する自分の得点が相対的な自分の現状です。
まずは人生の目的地(経由地)を探しましょう。目的地(経由地)はひとつではなく、いくつもあります。そして、その目的地(経由地)から現在地を探すのです。 そして経路を選択します。
目的地(経由地) → 現在地
現在地がわかれば目的地への経路を選択することができます。
現在地 → (経路) → 目的地(経由地)
人生の目的地(経由地)はライフイベントです。 そのライフイベントを確認することができれば、今自分がそのライフイベントに対して相対的にどのような位置にあるかがわかります。したがって現状の確認をするためには、これから遭遇するであろうライフイベントを見つけて現状と具体的に比較してみることです。
では、経験したことがなく将来遭遇するかもしれないライフイベントをどのようにして確認すればよいのでしょうか?
Happy Ending カードによるライフイベントによる現状確認
様々な方法が考えられますが、老後(セカンドライフ)に遭遇するライフイベントをスクリーニングしたいのであれば、Happy Ending カードを使うのもひとつの方法です。49枚のカードが将来遭遇する可能性のあるライフイベントを提示し、それに比較して現状確認を容易にすることができます。
Happy Ending カードはプレイヤーに目的地(経由地)を49枚のカードで提示した上で、目的地(経由地)に行き着くために経路をたどっているか否かをプレイヤーに質問してくれます。その問いに答えることによって現状を確認することができれば、目的地(経由地)までの経路もわかるはずです。
Happy Ending カードはこちらから
🔹 その経路は第4のステップである因果関係でより具体的になります。
🔹 人生における主要なライフイベントが人生の目的地への経由地となりますが、その経由地には関所があり、スムーズに通過するためには、それなりの準備が必要です。その準備は第5のステップである解決策において検討します。
・現状確認は「自分の現在地を知る作業」
・目的地に至る経路を決めるためには、目的地(経由地)と現在地の2点を確認する必要がある。
・現状(現在地)確認が不十分であれば、経路がわからず、目的地に到達することは困難
・将来遭遇するであろうライフイベントと比較することによって現状(現在地)確認をすることができる。
・Happy Ending カードで将来遭遇するであろうライフイベントを確認することができる。