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「グリーン・マイル」立場の逆転_名作から学ぶHappy Ending !!

「 人間は誰しも死と言う荷物を背負っており、それに例外がないことが私も知っている。しかし……ああ、神よ、時にグリーンマイルはあまりにも長すぎる。」

『グリーン・マイル』スティーブン・キング著

人生が長すぎると思ったことがありますか?
えっ、短すぎる?
グリーン・マイルとは……?

「死刑囚舎の物語」と聞いて、どんなイメージが浮かぶでしょうか?
恐怖、絶望、後悔…そして、終わり?
今回の名作に学ぶHappy Ending !!は、
スティーブン・キングの『グリーン・マイル』

この物語を語るのは、かつて死刑囚舎の看守だったポールという老人。
しかし、104歳の彼が今いる場所は、老人ホームなのです。

あなたがまだ104歳ではないとしても、現代の多くの日本人は超高齢社会という「長すぎるグリーン・マイル」を歩いています。

この物語から学ぶことに興味はありませんか?

『グリーン・マイル』のあらすじ

物語の舞台は1930年代、アメリカ南部コールド・マウンテン刑務所の死刑囚舎「E棟」、通称“グリーン・マイル”

ここで働く看守ポール・エッジコムは、ある日一人の囚人を迎え入れます。

ジョン・コーフィ

大男の黒人
幼い姉妹を殺害した罪で死刑を宣告された彼は見るからに優しく、人の苦しみに敏感な人物でした。

そして、彼には人の病や痛みを吸い取るという、神秘的な力があったのです。

看守たちは、彼の中にある「何か」に気づき、次第に彼をただの囚人としてではなく、“大きな存在”として尊敬するようになります。

しかし運命は残酷で、コーフィには逃れられない死が待っていました。

長すぎるグリーン・マイルを生きた男

今回指摘したいのは、ジョン・コーフィの奇跡でも、死刑制度への問題提起でもありません。

それは、その物語の語り手であるポールにあります。

物語は、104歳の老人となったポールが、老人ホームで日々を過ごしながら、当時の出来事を回想し、それを手記として書き残す形式で進行します。

『グリーン・マイル』という物語がポールの人生そのものであり、彼にとって書いて残すべきものだったのです。

彼はジョン・コーフィの力が残した影響で、長生きしてしまいました。その結果、妻はおろか、子どもや多くの仲間や愛する人たちを先に看取りながら、長すぎる人生=グリーン・マイルを歩くことになります。

そのグリーン・マイルを歩む彼が選んだのは“書き残すこと”だったのです。
書くことがポールの正気を保っていたのです。

 看守から“囚人”へ──ポールの人生が示す立場の逆転

若き日のポールは、ジョン・コーフィーなどの死刑囚を見守り、死刑を執行する立場の看守でした。
しかし、104歳を超えた彼の立場は、老人ホームで死ぬまで“見守られる側”の立場に逆転してしまったのです。

かつての囚人と同じように、静かに最期を待ちながら生きているのです。
死刑囚舎の囚人がいつ死刑の執行を宣告されるかがわからないのと同様に……

この「立場の逆転」は、私たちすべての未来の姿でもあります。

・今、家族を介護している人も、いずれは介護される側になる
・今、看取る立場にいる人も、いつかは看取られる

そして、そんな逆転の構図は他にも描かれています。

かつてのコールド・マウンテン刑務所E棟にいた支配的で暴力的な看守パーシー・ウイットモアと、現在の ジョージア・バインズ老人ホームにおける機械的で無関心な介護士ブラッド・ドーラン。

この対比は、支援者と支配される者のあり方を深く問いかけてきます。

どちらも共通するのは、支配する側が支配される者の人間らしさ、すなわち尊厳を見ていないという点です。私たちが入る老人ホームにブラットがいないといいですね。

では、私たちは「支えられる立場」になったとき、誰に、どう接してほしいと思うでしょうか?何も考えていなくても、誰かが自然と優しく接してくれるのでしょうか?それとも、老人の尊厳など無視されてしまうのでしょうか?

それを考えることこそ、未来の自分への最大の優しさなのかもしれません。

現代の「グリーン・マイル」は老人ホームにある

私たちもまた、超高齢社会という“長すぎるグリーン・マイル”を歩んでいます。

人生100年時代
医療の進歩や生活環境の改善で、人生はどんどん延びています。けれど、延びた人生の中に生きる意味や自分らしさを維持できるでしょうか?

老人ホームで暮らすポールの姿は、決してフィクションの中だけの話ではありません。
現代の高齢者もまた、家族や社会から少しずつ距離を置かれ、静かに人生の最後を迎えようとしています。

誰もが「ポール」になる可能性を持っている。
そして、「書き残す」ことができるか否かは人それぞれなのです。

 何を残し、どう死にたいか……

『グリーン・マイル』の中で、ポールは「誰に話しても信じてもらえないことを、自分の中だけにしまっておくのがつらかった」と語ります。

現実の私たちにも、自分の思いを言葉にできなかった時があるでしょう。

たとえば、こんなことはありませんか?
・自分の最期は、どこで迎えたいのか?
・延命治療をどうしたいか?
・写真アルバムや家系図をどうするか?
・子どもたちに伝えたいことがあるが、どう切り出だそうか?
・自分の人生をどのように意味付けするのか?
・感謝の気持ちをどのように伝えるのか?

これらはすべて、自分の物語の描き方です。

あなた自身の物語を描こう

『グリーン・マイル』の死刑囚と看守たちは私たち普通の人間のメタファーです。

長生きすることの孤独と意味……

現代を生きる私たちは、まさにその“長すぎるグリーン・マイル”を歩んでいる最中……
でもその道のりを、誰かと話し、考え、形にすることで、それはただの老後ではなく、自分の物語にすることができるかもしれません。

あなたの「グリーン・マイル」は、まだ続いており、どう歩くかも、あなたが決めることができるのです。

 

長すぎるグリーン・マイルの道しるべ

Happy Ending カードはグリーン・マイルの道しるべです。

 

 

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