行動心理学

なぜ、キリギリスは冬に備えなかったのか?ーイソップ寓話「アリとキリギリス」から

夏になると想い出しませんか?イソップ寓話「アリとキリギリス」

イソップ寓話のアリとキリギリスの話は親と祖父母が子や孫に対して読み聞かせたものです。あなたにも経験がありませんか?

しかし、超高齢社会の今、親と祖父母に対して「アリとキリギリス」の寓話を語り聞かせたいと考える子や孫が少なくありません。

どういうことでしょう?

但し、「アリとキリギリス」の寓話をちゃんと知っていればの話ですが……

私たちも陥りがちなキリギリス的生活スタイル!
人生100年時代の新解釈とは?

ひょっとしたら、自分もキリギリス的な生き方をしているかもと思ったシニアの方、
キリギリス的な生き方をする親と祖父母を心配する子と孫は、イソップが読者に問いたかった人生における真の教訓を活かしてください。

「アリとキリギリス」こんな寓話でした

夏の間
キリギリスは冬に備えて働くアリを横目に歌っているばかりでした。
そして、秋が過ぎ冬になると、食べるものに困ったキリギリスは、アリに助けを求めに行きました。

アリの答えは、「夏に笛を吹いてながら、冬には踊るがよい!」でした……

たかが寓話、されど寓話!
あなたが「アリとキリギリス」の寓話から得た教訓は何だったでしょうか?

また、その教訓に則った生活をしているでしょうか?
あるいは、何ら意味のある教訓を感じませんでしたか?

だとしたら、あなたはすでにキリギリス的生活スタイルを陥っているかもしれませんよ!

なぜキリギリスは冬に備えなかったのか?

この寓話におけるキリギリスを単なる怠け者だったか、バカだったと片づけてしまうとイソップをがっかりさせてしまいます。
少しだけ掘り下げて考えてみましょう。
寓話ですから、生物学的な事実はひとまず横に置いて考えてください。

キリギリスが冬に備えていなかった理由は3つ考えられます。

1.セルフネグレクト

冬になって食料がなくなってしまったら、困っても(死んでも)かまわないと思っていた。
どうでもいいや……こんな生涯とはおさらばだ~
いきがいの喪失、自分の人生に対する責任の放棄です。

しかし、冬になってからアリの家に行ったようですから、その後気が変わったようですね。

2.無知

リスクに無知であれば、危ないことをしていても、危なさに気づきません。
無知は自身に対する過信と人生に対する傲慢を生みます。

・冬になると、気温が低下して寒くなることを知らなかった

・その結果、食料となる穀物や小型の昆虫がいなくなることを知らなかった

・雪が積もって餌を探しにくくなることを知らなかった

・その結果自分の命が危なくなることを知らなかった

無知は恐ろしいですね〜

3.先送り

食料を保存しておく必要性は理解していたが、歌うことを優先して、食料の収集と貯蔵を先送りしているうちに冬になってしまった。
いつでもまだ時間があると思いたいものです。

キリギリスが冬に備えて食料を貯蔵していなかった理由は、上の3つのどれかというよりは、セルフネグレクト無知先送りの3つがミックスされた結果であると言えます。

いずれにしても、キリギリス的生活スタイルは現在の幸福度を優先し、将来の自分に対して無関心で冷たい生活スタイルだと言えます。

アリの生活スタイル

一方、アリのように毎日毎日餌を集めて貯める暮らしをどのように思いますか?
実は、イソップ寓話には「蟻」と言うタイトルの寓話があるのです。

166話 蟻

「今の蟻は昔は人間であった。農業に勤しむのは良いが、自分の汗の結晶に満足せず、他人のものにまで羨望の目を向け、隣人の収穫を苦しめ続けた。ゼウスが、その貪欲に腹を立て、姿を変えて、蟻と呼ばれる生き物にしてしまった。

彼は姿を変えても、心杯は変わらなかった。だから、今も畠を歩き回って、他人の小麦や大麦を集めては、自分のために蓄えている。

陋劣な本性の人は、どんなに懲らしめられても、生き方を変えない、と言うことをこの話は解き明かしている。」イソップ寓話集 岩波文庫 中務哲郎訳

アリはイソップからもこのように見られていました。
アリ的生活スタイルも必ずしもよいとは言えないと思いませんか?

✅ アリとキリギリスの寓話から引き出す人生の教訓
あなたは、アリ的な生活スタイルですか?それともキリギリス的な生活スタイルを送っていますか?
そして、今後どのような生活スタイルを指向しますか?

アリギリス的生活スタイル

アリとキリギリスの生活スタイルをほどよくミックスして、冬にしっかり備えながら、今も楽しく生活できたらよいと思いませんか?

それをアリギリス的生活スタイルと呼びたいと思います。
では、どうしたらアリギリス的生活スタイルを送ることができるようになるでしょうか?

人生の四季

その前に大事なことについて考えておきましょう
アリとキリギリスにおける夏と冬は人間の生涯のどの部分に当たるのでしょうか?

出生から始まり、死で終わる人生に四季を当てはめてみると、次のようなイメージではないでしょうか?
必ずしも年齢で季節を分ける必要はありません。主観的に今どの季節を過ごしているのか考えてみてください。

🔶出生

🔹人生の春 人生を学び、準備している

🔹人生の夏 自分の生き方を実践、発揮している

🔹人生の秋 人生の収穫をしている

🔹人生の冬 人生の終末期

🔶死

キリギリスがしたように冬になってから冬に備えることはできません。
冬への備えは夏から秋のうちに予め済ませておく必要があります。

人生の冬はいつやってくるのか?死の前に冬がある!

アリギリスは冬に対する備えをしながら人生を楽しむことができるはずです。
しかし、いつまでに冬の備えをしておけば間に合うのか?そのスケジュールが決まっていればよいのですが、人生の冬はカレンダー通りにやってくるわけではありません。

・春でも交通事故に遭うことはあります

・夏でもがんになることはあります

・秋でも認知症になることはあります。

人生の冬はいつ到来するか全く予測がつかないのです。

アリギリス的生活スタイルを営むのに必要なこと

キリギリスとアリを反面教師として考えると、アリギリス的に生活するためには、次の条件が必要となります。

条件1.セルフネグレクトに陥る前に備える

状況把握感、処理可能感、有意味感が低下すると、何かをしようとする意欲が涌きません。今までにしたことがないことに強い抵抗感を感じます。認知症まではいかないまでも、どうでもいいやみたいな状態に陥る人は少なくありません。

条件2.無知から脱却して、想定外をなくす

賢明な人でも知らないことに備えることはできません。人生の冬にどんなリスク(変化)が待ち受けているのか、知って想定外をなくします。

条件3.リスクに備える

自分の価値観に応じて、避けたいリスクを選択して、そうなる前に予め備えておきます。

条件4.先送りの防止策を講じる

人生の冬が何時到来するかわからない以上、着手するタイミングは今しかありません。
とはいえ、決して暇ではない現状に新たなことをはじめるのには大きな力が必要です。自分が言い訳をしながら備えの実行を先送りするのを予め防止する対策が必要です。

先送りの防止策を詳しく知りたい人はこちらも!

「愚図なわたしとあなたに!先送り(先延ばし)のリスクとその防止策」
Happy Ending blog ☞ こちらから

あなたは子や孫からイソップ寓話を読んだ方がよいと言われたいですか?
それとも言われる前に自分でキリギリス的な生活から抜け出しますか?

キリギリス的な生活から抜け出して、アリギリス的な人生を送りたいと思ったら、、次の問題はどうしたらこの4つの条件を達成できるかということです!
そこでお聞きします。

🔶この4つの条件をクリアする方法を知りたいですか?
🔶もし、この4つの条件をクリアする方法を知ることができるとしたら、どの程度を対価を支払ってもよいと思いますか?

もし、アリギリス的な生活スタイルの4条件を知りたく、かつある程度の対価を支払ってもよいという人は、Happy Ending カードをプレイしてみてください。

 Happy Ending カードを見てみる! 

夏は、キリギリスの後悔を想い出すのによい季節です。

暑いうちに冬への備えを考えておいたらいかがでしょうか。
夏も、秋もあっという間に過ぎ去ってしまいますから